大森

意外に知られていないコトだが、築地は牛丼の激戦地である。
「吉野家」の第一号店は場内にあるし、場外の「きつねや」は連日大賑わいである。
また、自分では決してオーダーすることはないが、「高はし」や「江戸川」でも実は牛丼を食べることができる。
そんな牛丼激戦地の築地の中でも、場外にある「大森」の牛丼は1・2を争うレベルであると断言できる。

この店は築地では一般的な"あいがけ"発祥の店として知られている。
"あいがけ"とは2種類以上の違ったルーや具財をひとつの皿に一緒盛りにしたもので、お客のリクエストにより40年近く前に誕生したらしい。

「大森」では牛丼とカレーの"あいがけ"が楽しめる。 
カレーも牛丼も単品での引力が強いだけに、2つが一緒になった様子はビジュアル的にかなりシズル!「カレーと牛丼のコンビネーションや如何に?」と最初にこの店を訪れた時は心ときめかせたものだ。

しかーし、期待に反して、一緒に盛られた"牛丼"と"カレー"は食べ終わるまでとうとう期待した相乗効果を挙げることはなかった。つまり、カレー及び牛丼を単品で注文し、交互に食べるのと何ら変わることはなかったのである。しかも、カレーはそんじょそこらにある、日本人であれば誰もが一度は口にしたことのある平凡極まりないものであった。(このカレーが好きだという人もいないわけではないが・・・)

初回の落胆振りはかなりのものであったが、日をおいて今度は牛丼を単体で試してみた。すると・・・これが美味い!正直、目を見張った。
具は、肉とたまねぎ、それに豆腐が入っているだけだが、この豆腐がフンワカしていて、いいアクセントになっている。さらに、肉が脂と赤み部分のバランスが良く飽きさず、料理としての完成度が高い。
たまねぎの硬さまでリクエストしたい人には不向きかもしれないが(笑)、魚河岸でうまい牛丼をサクッと食べたい人には一押しの名店である。

[Shop Data]
場所:中央区築地4-8-7
пF03-5565-3704
営業時間:5:30〜14:00 
休み:日・祝・休市日
 
★2010年3月21日惜しまれながら閉店しました。